アメリカ横断旅18日目 ニューオリンズ ~招かれざる訪問者編~
アムトラックの車窓から
相変わらずアメリカは広い〜
そしてニューオリンズ到着!
暖かい〜
早速今夜の宿へ向かうためバスで移動することに
バスで移動すること40分
宿に到着!
今夜の宿は1泊$30のトレーラーハウス
早速チェックインを済ませるため、管理人さんがいるオフィスへと向かう。
「日本人のお客さんとは珍しいね!ちょっと今手が放せないから、コーヒーでも飲んで待っててくれる」
管理人さんはとても陽気なメキシコ系の人で作業をしながら色々と話しかけてくれた。
「ここのモーテルは家族で経営しているんだけど、今みんな出払っててね。シカゴは寒かっただろ?ニューオリンズも夜は冷えるから、気をつけてな!」
そして作業が終えるとトレーラーハウスに案内された。
値段相応の汚さではあるけれど、ベッドが大きいことが何より嬉しい〜
長旅でお腹も空いたし、今日は少し奮発してステーキでも食べようか!
そう思い街を散策してみることに
何やら空気が重い、、、
人通りも少ない、、、
そして日本人が珍しいのかめっちゃ見られてる、、、
そうなんです!実は宿がある地区は治安があまり良くないことで有名な場所だったんです。宿についたのも遅かったので街灯が少ないこともあり、あたりはもう真っ暗
ロサンゼルス以来のビビリです。笑
コンビニに行くにも10分ほど歩かなければならないので、その日は以前から非常食として持ち歩いているオレオで済ませることに、、、
そしてやっぱりマウンテンデュー笑
(この旅で痩せるかと思っていたけど、確実に太ってるよ〜マウンテンデュ〜)
帰国までもう日数がないため残りの時間をめちゃくちゃ楽しんでやろうとニューオリンズでの予定を確認していると
コンコン!
ドアをノックする音。ドアには覗き穴がないため開けてみないことには誰が来たのか確認することはできず、チェーンもないためドアが開くとともに簡単に侵入をゆるしてしまうのです。どうしようと考えている暇もなく
コンコンコン!
管理人さんかもしれないし、いざとなれば中学のときやっていた極真空手の秘技をお見舞いしてやろ!最悪の場合、家族に多額の保険金行くし、、、
三戦立ち(極真の構え)になり、ゆっくりとドアを開けると、そこには小柄で中年の黒人男性が立っていた。(よしコイツなら勝てる!)
「オフィスの者だけど、トレーラーハウスは寒くないか?ブランケットが必要だったら持ってきてやるよ!」
なんだ管理人さんかと思い安心したが、何かがおかしい。あの管理人さんは家族で経営していると行っていたし、今出払っているとも言っていた。家族に人種の違う人間がいることは考えにくいし、仮に義兄弟であったとしてもわざわざそんなサービスをしにくるだろうか。(コイツ、チップ狙いやな)
”Sorry,I'm very hot! No thank you.”
(まあまあ寒い、、、)
そういいながらドアを閉めると
ドンドンドンッ!
ビビった、、、今度開けたら何されるかわからないし、本当にオフィスの人なんだろうか。
ドンドンドン!
男はその間もドアを叩いてくる。困った、、、でも開けないとずっと叩き続けるだろうと思い、再び三戦の構えでドアを開ける。
「オフィスのものだけど、トレーラーハウスは寒いだろ?ブランケットを持ってきてやるよ」
えっ、何!?デジャブ!?
なぜ同じことを聞いてくるんだ?さっきの英語が通じなかったのかなと思いまた
”No thanks, but thanks"
(少しやさしい口調で言ってみた)
「オフィスから歩いてきたんだ。すぐに戻って来られる。ブランケット必要だろ?」
なぜ話を続けるんだこの人は、、、
”No Thank you!!"
少し口調が強すぎたのかしょんぼりとした表情で立ち去るおじさん
もしかしたら本当に親切心でブランケットを持って来てくれたのかもしれない。そう考えると少し悪いことしたなと悔やんだが、トラブルに巻き込まれなくてよかったとひと安心するのでした。ネット環境もないし、やることがなかったので日本から持ってきた映画でもみようとMacを立ち上げる。気持ちを落ち着けるにはコメディが一番ともう何十回も見ている『モテキ』を観る。しばらくすると
コンコンコン!
また誰かがドアをノックする。どうせあのおじさんだ。まだ懲りてないのか。でも今度はちゃんと話を聞いてあげようとドアを開ける。
「ブランケ〜ット!」
そこにいたのはあのおじさんとおじさんの子供らしき5歳ぐらいの女の子だった。女の子の手には数枚のブランケットが積まれており、僕の目を見て何度も
「ブランケ〜ット!」
汚ねぇー!子供使うのは大人としてどうなん!?
そしてなんでそんな純粋な目で見てくるの、、、
君は君のパパにいいように利用されているんだよ、、、
純粋無垢な目でブランケットを差し出す少女にNothankyouとは言えず、ブランケットを一枚受け取ると、案の定$10取られる。
「ありがとう〜いい夜を〜」
そういって親子は隣のトレーラーハウスに向かう。どうやらここのトレーラーハウスを周りブラッケットの押し売りをしているようだった。
その日、ココロの何処かで神に祈った。
神よ、どうかたったの$10でもあの子のために使われますように、、、